藍色の帳の下りた、ひんやりとした夜。
くちゅり、ちゅ…と艶めかしい音が部屋に響く。
「ねぇ……」
ちゅ、とまたひとつ。
「ねぇ、ユーリ」
また、ひとつ。
ことばを遮られてさすがにジュディスも眉をひそめた。
それを横目にちらりと認めて、それでもやまないふれるだけのキス。
ジュディスは彼の口元に手をあてて、
「ねぇ、」
「ん?」
「私のこと、すき?」
「きらいならこんなことしないよな」
そう言って口を塞いでいたジュディスの手をどけ、もういちど。
「もう、ちゃんと答えて」
呆れ気味に、今度は彼女からひとつ。
それに少しほほえんで
「……すきだよ」
小さく耳元でささやいた。
彼女は一瞬満足そうな笑みを浮かべて
「もっと……」
ささやいて、もうひとつ。
すると返ってきたのはさらに深い口付け。
「ん、……んん……」
部屋にしたたる艶めかしい声。
息も苦しくなるほどで、
つぅ、と身を離した二人の間に銀色の糸がわたる。
彼女は少し息を整えて、
「もう、そういうことを言ったのではなかったのだけれど」
「同じことだろ?」
「ちがうわ。私はことばが欲しかったのよ。
そういうのは性に合わないのかしら?」
「まぁな」
オレはこっちの方がいい、と今度はふれるだけのキス。
というかさ、と彼はことばをつなぐ。
「そんなにオレが信用できないか?」
顔はいたずらげに笑っていたけれど、どこか憂いを帯びた声。
「ふふ、いじわるね。……そういうわけじゃないけれど」
ジュディスはふっと視線をそらして
「だけど、なんだか不安なの……」
少しふてくされた顔。
するとユーリはくしゃりと顔を歪めて
「んな顔すんなよ。大丈夫、好きだよ」
まるでガラスを抱くように、やさしくささやく。
ジュディスはくすぐったそうに身をゆする。
「ふふ、ねぇ、もっと言って」
「おいおい、今日はずいぶんと欲張りだな」
「貪欲なのよ」
ほほえんで、目があって。またひとつ。
「……これで最後な」
言って耳元で聞こえるか聞こえないかの小さな声で。
「あら、残念。じゃあかわりに私が言ってあげるわ。
すきよ、ユーリ」
そしてまた、花が咲く。
「アイシテル」
すきよ、 すきよ、 すきよ
すき すき すき すき
まだまだ足りないの
幾つ言葉にしても
アイシテル3題より
お題提供: Bad Apple !様
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えー、すいませんでした。
自分で書いておきながら砂吐きそう。。
キャラ崩壊本当にすいません。
絵では描けない甘々なジュディユリを
書きたかっただけなんです。