バタンッといきおいよく開かれた扉の向こうから飛び出してきたのは
なんともかわいらしい狼男とドラキュラ、
もといカロルとパティであった。
「お、こりゃまたずいぶんと手ぇ込んでんな」
出迎えたユーリが感嘆する。
「へへっ、いいでしょ。自分でも会心の出来なんだ!」
嬉しそうに笑うカロル。
「ユーリ、ユーリ!どうじゃ、わしのキュートなドラキュラは」
「おう、似合ってんぜ。」
「おおー、ユーリのハートを掴んだのじゃー」
むきゅーと両頬を押さえてパティもニコニコ顔だ。
「カロルー、パティー
もう、先に行っちゃうなんてひどいですー」
ぱたぱたぱたと足音が響き、
やってきたのはエステルとリタ。
「ん?二人も参戦か?」
確かユーリと入れ替わりにキッチンに入ってお菓子作りを始めていたので
てっきり二人は仮装しないのだと思っていたのだけれど、
今目の前にいる二人はちゃっかりおそろいの魔女っ子衣装だ。
「あ、あたしは別にやるつもりはなかったのよ、でも」
「せっかくのハローウィンなんですからあげるのももらうのも両方やることにしたんです。
わたしハローウィンって初めてなんです!」
瞳をキラキラ輝かせるエステルに、表情だけは不本意そうなリタ。
なんやかんやでみんな全力でハローウィンを楽しんでいるようだ。
「というわけで……とりっくorとりーと!です!」
満面の笑みでエステルが掌をこちらへ差し出した。
「はは、わかってるって。ほらよ」
ぽんっとユーリはその掌の上に包みをのせる。
「ありがとうございます。カップケーキです?おいしそう」
「わーユーリ作ったんだ!やったー、ぼくもぼくもー!」
ユーリの作る菓子は仲間内では人気がある。
ハローウィンだからとかぼちゃのカップケーキを作ってくるあたり、
十分気合が入っているよなぁと思い、ユーリは苦笑する。
「はいはい、どーぞ」
そうしてみんなにお菓子を配ると
ありがとーとそれぞれ口にして去っていく。
次の行き先はジュディかおっさんか…。
「あ、あのユーリ」
と、みんなといっしょに行きかけたエステルが振り返ってこちらへ戻ってくる。
「ん?」
「ハッピーハローウィン!です!」
そう言って差し出された掌の上にはきれいなラッピングのされたチョコレートケーキ。
ユーリは少し瞬いて、
「おう、サンキュ」
ニカっと笑って受け取った。
ハッピーハローウィン
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どうしてこうなった……
当初はユリエスにする気は毛頭なかったのですが
気付いたらこんなことに。。
私は基本的にユーリ→←ジュディスであれば
後はどこから矢印がとんできてもOKです。